真剣な話をしよう

たまには鑑賞的になろうと思いつき
泣ける2ちゃんねるで検索してみたら涙腺を激しく刺激されました。
皆辛い経験や暖かくなる経験をしているんですね。
で、それらを読んでて思いだしたことがあるのでちょっと書いてみます。
ヤマもオチもない話ですが。



数年前のお彼岸の頃の日曜日、私は家でのんびりしていました。
すると母が「行きたいところがあるからついてきてくれる?」と私を誘いました。
何の気なしに母が運転する車に乗ってついていくと
ついた場所は、墓地でした。
状況が呑み込めない私に母は言いました。
「あなたにはね、死んだお姉さんがいるのよ」


私は4人兄弟の末っ子です。
兄が二人に、姉が一人います。
騒がしくて明るくて、だからもう一人姉がいるなんて聞いたことがないし、思ってもみませんでした。
その姉は上の兄の2歳上だったと言いますから、私とは10歳も離れています。
初めての子どもなので両親はとても喜んで、早々に名前もつけたらしいです。
しかし、姉は出産直前で亡くなりました。
話を聞いて、私は「だから母は外来に行く時は近くのS病院じゃなくて市民病院まで行くんだ」と思いました。
きっとS病院は姉を産むときに入院した病院なんでしょう。


その日の夜、私は色んな事を考えました。
もし生きていたらどんな人だったんだろうとか、私や今の姉とは似ていたんだろうかとか、
初めての子を亡くして、それでも私たち4人を育ててくれた両親はどんな気持ちなんだろうとか
そんなことです。


母は「お姉さんが生まれてたら、私たちそれで満足しちゃってあなたが生まれなかったのかもしれないわね」とも言っていました。
姉が亡くなったから私は生きているのかもしれないと思うと、とても複雑な気分になりました。
今考えても、私には『姉が生きられなかった分しっかり生きよう』とか、そんな平凡なことしか思いつきません。
誰かが生きられなかった日々を、私たちは与えられていると。
今でも思いを馳せれば、顔も知らないはずの姉の姿が見えるようです。
会いたかったよ、あゆみお姉ちゃん。